デザイン画集
お客様の中で、何かがクリアになった。
【Pt900 ダイヤ イヤリング】デザイン画
中央に穴をあけたビーズカットのブラウンダイヤモンドを、
バーゲンセールで購入したものの・・・
「ただの濁った石にしか見えなくて使ってないの」
と相談を持ちかけられたのが、このお客様との出会いでした。
さて、
私のパワーでどんなに念じても、反りかえり逆立ちしようとも、
濁った石がクリアになることはございませんので、
ご要望の根本的な解決にはならないのでしょうが、
純白のダイヤモンドを清楚に並べて、
デザイン全体でコントラストを楽しめるように配色してみました。
このご依頼が切っ掛けとなり、
なんと現在まで9年間も継続して次々にご注文を頂いております。
念じても反りかえっても宝石の濁りは取り除けませんでしたけど、
お客様の中で何かがクリアになったのだと思います(*^^)
こんな簡単にはいきません、人だったら。
【Pt900 ダイヤ リング】デザイン画
リフォーム希望のお客様が、
不要になった貴金属を山のように持参され、
ふっくらとボリューム満点のプラチナリングをつくることとなりましたが、
試算してみるとまだまだ貴金属が残りそうなので、
もう1本プラチナ製の幅広リングをデザインすることにしました。
持参された貴金属類には、
ダイヤモンドが留められた品物がいくつかあった為、
そのダイヤモンドは全てはずして新たなデザインに移植したわけです。
こうして考えるとジュエリーのリフォームとは、
じつに無駄が少なく整形が施せるものだと感じます。
全身のシルエットで気にいらない箇所があったなら、
溶かして整えて磨き上げるだけで整形完了。
人の整形では、
こう簡単にはいきませんね(^_^;)
古いイメージをなんとかしないと。
【pt900 ヒスイ ペンダント】デザイン画
リフォーム希望で持ち込まれるジュエリーのほとんどは、
数十年前に生産された年期物です。
ひと昔前につくられたジュエリーに高い確率で留められているのが、
台形型の細長い角ダイヤです。
しかも大量に留められているのです。
辺の長さが同じ『長方形ダイヤ』であるなら、
一列に美しく並べるなど、効果的にデザイン展開できるのですが、
『台形型ダイヤ』なので、美しく並ばないだけでなく、
古めかしい印象が抜けないので困ってしまいます。
そもそもご依頼主は、
古めかしいイメージを払拭しに来たわけですから(^_^;)
費用は100倍くらいかかりますけども。
【K18WG パール ペンダント】デザイン画
俗にファンシーアクセサリーと呼ばれる、
低価格素材と模造石を使用したアクセサリーをよく見かけます。
貴金属ジュエリーと異なり、
軽量の合金やプラスチックでつくられる為、
華やかで大振りなデザインが楽しめます。
それらの中には数百円という価格帯のものもあり、
幅広い世代にファンを持ちますが、いくつか困ったこともございます。
代表的なのが【こわれたら修理できない】という悲劇。
ひと月に多くの方が、私の所へこわれたファンシーアクセサリーを持参されますが、
多くの場合で修理不可能とお伝えすることとまります。
修復率は3割以下といったところでしょうか・・・
さて数は少ないのですが、ご覧のデザイン画のお客様のように
「一番のお気に入り!」との理由で、
こわれたファンシーアクセサリーの雰囲気を、
そのままジュエリー素材でオーダーされるお客様もおいでです。
慣れ親しんだお気に入りの雰囲気を、永遠の輝きで仕立てたのなら、
こわれても修理できるし、変色もしないし、肌にも優しいし、
良いことだらけ!
・・・費用は100倍くらいかかるんですけど(^_^;)
いいじゃない。想像なんだから!
【pt900 ダイヤ ペンダント】デザイン画
正確にカットが施されたダイヤモンドは、
心に響くほど強烈な輝きを放ちます。
この小さな宝石に58面ものカットをつけた研磨師とは、
いったいどんな人でしょうか・・・。
きっと繊細な性格の持ち主で、あらゆることをキチンとこなす、
さらさらヘアーのイケメンじゃないかと思う。
あなたはどう思いますか?
きっとあなたの理想の人物像が浮かび上がるのではないでしょうか。
近頃はレーザーなど先進技術での研磨が主流なのかもしれませんが、
ここは是非とも理想の人物像に登場していただき、
研磨を施していてもらいたいものです。
いいじゃないですか、想像なんだから・・・。
かわいそうなガーネット一族へ。
【K18 ガーネット リング】デザイン画
ガーネット。
やや褐色味を帯びた落ちついた赤は、
「地味~」だの「暗~い」だのと言われる、
人気もいまいちの宝石。
さて、
ガーネットにはやや紫味を帯びたロードライトという種や、
強いオレンジを発色するスペサタイトという種、
ツァボライトという濃厚なグリーンを発する種もございます。
これらのガーネットは冒頭で紹介した
「地味~」で「暗~い」ガーネットと全く異なり、
じつにフレッシュな発色と存在感を持っており、
当然のこと、稀少であり高価なガーネットです。
・・・にもかかわらず、
多くの方が【ガーネットと言えば地味ぃ~】という第一印象を払拭せず、
あいかわらず人気もいまいちな、かわいそうなガーネット一族。
それはもう、
「だれか、君を好きなってくれる人が見つかるまで、ウチにいていいんだよ。」
・・・と同情したくなるほどの不人気さで。
人の顔から生えている、耳を考える。
【K18 ガーネット ピアス】デザイン画
ご覧のデザイン画のように揺れるピアスを実際につけて、
予定通りガーネットが正面を向くことは、
・・・あり得ないと思います、残念ながら。
さて人の耳は、顔の正面に対して真横に生えているわけではなく、
ややナナメ後方に向かって生えています。
すると当然ですが装着したピアスは、
やや横を向くのが自然の成り行きですね。
ところでこの事態ですが、
違和感を感じているのはピアスをつけている本人だけで、
周囲から見ている人には、じつに自然な向きで美しく揺れて見えているわけです。
つけている本人は自身の顔を真正面から鏡に映すので、
やや横を向いたピアスを見ることになってしまう、
というわけです~
答えを探しに、ご依頼主と巡る旅。
【Pt900 ヒスイ ペンダント】デザイン画
宝石たちを何本の爪で留めるのかは、
デザイン全体に影響を及ぼす重要なポイントです。
ご覧のデザイン画ではダイヤモンドとヒスイを、
合計4本の爪で留めるようにデザインしています。
同じ内容の宝石を5本の爪でデザインしたこともありますし、
8本でデザインしたこともございます。
デザイン相談のさいにご依頼主と共にラフ画を描きながら、
さまざまなパターンでお好みを探ります。
・・・そう、探るのです!
私もご依頼主も明確な答えを持ってデザイン相談に臨むのではなく、
アイデアを出し合いながら最高の1点を探るのです。
時には長い旅路になることも覚悟の上で、
ご依頼主と共に今日も私は旅に出ます。
ためしに、私の立場で考えてみて。
【K18 カーネリアン ペンダント】デザイン画
例えばもともとイヤリングであった大粒の宝石を、
2ピース使用してペンダントにする時、
私からご依頼主にお願いすることがございます。
それは、「ダイヤを1個だけ使わせてください」
というお願いです。
小さいとはいえ、ダイヤモンドもタダではありませんので、
お仕立ての費用がその分だけ高くなります。
それでもやはり、ダイヤが必要だと感じます。
試しにご覧のデザイン画のメレダイヤの部分を指で隠してみてください・・・
どうです?
デザインがのっぺりとして、オモチャっぽくなったと感じませんか?
当たり前ですがこのダイヤは絵ですから、もともと輝いたりしないのに、
有ると無いとで全体の雰囲気が驚くほど異なります。
ほら、「この部分にダイヤを1個だけ使わせてください」
ってお願いしたくなるでしょう?
あなたが私の立場だったら!
ときどき寄せられる、こんなご依頼。
【Pt900 ダイヤ リング】デザイン画
私の所へは、
手の込んだ細工を必要とするデザインの依頼が多く寄せられますが、
ときどきシンプルなデザインを要望されるご依頼主もおいでになります。
ご覧のデザイン画のお客さまもそのひとりで、
じつにフツーな6本爪デザインを要望されました。
1.85ctの大きめダイヤを支えるデザインですので、
シンプルデザインがちょうどよかったわけです。
制作工程でも難航することなく、あまりにスムーズに進行したため、
「えーと、ホントにこれで予定通りだっけ?」
などと何度も制作図面を確認し、
逆に気疲れしてしまいました(^_^;)