デザイン画集
何も話さない時間が、ございます。
【pt900 ルビー リング】デザイン画
リフォーム相談におこしのお客さまの中で、
どんなデザインで仕立てたいのか、
答えを持って来店される方はほとんど居ません。
つまり店頭でリフォーム相談中に、
どんなデザインが自分にふさわしいのか、悩むわけですね。
ご覧のデザイン画のお客さまのケースでも、
その様子が見て取れます。
曲線を主体にした流れのあるデザインにするか、
全く正反対のテイストのデザインにするかで悩んでいるようです。
この段階まで来たら、私は多くを語らず、
静かにお客さまの答えを待つことにしています。
他のあらゆる悩み事と一緒で、お客さまの心は既に答えを出しているから。
それを口から発するまでジッと待つわけです。
宝石は、奇跡の連続で存在します。
【K18wg ヒスイ リング】デザイン画
地下深く、2万mから3万mくらいの場所。
例えばそこにナトリウムがあって、
しかも比較的低温の環境で、
それでいて1000気圧程度の高圧の環境であったりすると・・・
まもなくヒスイが結晶し始めるでしょう。
時が経て、
じっくりと時間をかけて熟成したヒスイの結晶も、
その才能が地下深くに埋もれているのではモッタイナイ。
そこでヒスイを私たちの地表世界に運んでくれる、立役者が必要となりますね。
それは地球の地殻変動や造山活動といった大地の躍動です。
そしてこれらの条件がそろった場所は世界でも極めて稀なわけですね。
・・・さて、
こんなこと書いてしまうと、
次回から軽い気持ちでヒスイをデザインできなくなってしまいそうですね(笑)
100%が求められている現場にて。
【K18 ルビー リング】デザイン画
繰り返しになりますが、私の所へ寄せられる数々の依頼は、
新たな宝石を手配して仕立てるジュエリーデザインではなく、
依頼主が持参する多種多様のジュエリーから外された宝石たちで仕立てる、
ジュエリーデザインです。
それまで依頼主が使い込んでいた多様なジュエリーから寄せ集められた、
個性の強い宝石たちをまとめ上げるのが私の仕事と言っていいでしょう。
全ての宝石たちのキャラクターを調和させ、
ひとつのデザインに集約するわけですが、
時にはご覧のデザイン画のように
3ピースのダイヤを返却する場合もございます。
考え悩んで、
「3ピースを留めるより留めない方が良い」
という決断を依頼主に相談するわけです。
新たに仕立てるジュエリーには、
100%の完成度と満足度が求められますので、
こんな苦渋の決断を迫られることもあるのです~。
おっきい指輪、大好きです。
【pt900 パール リング】デザイン画
大粒の宝石をリングに仕立てると、
指のほぼ全域をその大粒宝石が占めることとなり、
残ったわずかな部分のデザインなど、無いに等しいですね。
こうなると私どもデザイナーの出番はもはや無いと言っていいでしょう。
ご覧のデザイン画からも、
【ちから及ばず感】というか【イクジナシ感】が、
なんとなく伝わってきますね。
デザインするのがペンダントならば、
膨大な量のデザイン案を提案できますが、
リングとなると難しいのです。
「使いやすくてポップなのを、お願いねっ!」
と、ご依頼主は軽く仰いますが・・・(泣)
流れ流れて、ここにたどり着いた宝石たち。
【pt900 エメラルド リング】デザイン画
宝石たちが一直線に整然と並ぶ、
ご覧のデザイン画を実現させるには、
それぞれの宝石の幅がピタリと揃っていなければなりません。
これはつまり、
出どころの異なる宝石たちを集めてデザインしなければならない
リフォームの現場では、【まずありえない】デザインといえます。
描いたデザインに合わせて、
新規の宝石を手配するジュエリー制作の現場なら
【いともかんたん】な事であるのでしょうが、
私の所にはそのような【いともかんたん】なご依頼は寄せらず、
他の医師では手の施しようの無い
【もはや医師から見放された】患者さんが・・・
ん?何の話でしたっけ?
科学技術の発展を、心から祝して?
【pt900 ヒスイ リング】デザイン画
人類が科学の力で合成した宝石が市場にはびこり、
購入する方々を混乱させている昨今。
科学合成で作れない宝石は無いと言われています。
はたして自分の宝石は本物なのだろうかと、不安な方も多いことでしょう。
ヒスイもまた、
合成や着色のみならず、非常に似た雰囲気の安価な石が存在します。
錬金術しかり、
【ひとが心の根に持つ、目先の欲望】が、科学技術を発達させてきました。
これからもますます巧みな宝石たちが、実験室から生み出されるでしょう。
その時に私たちは、
技術進歩を喜ぶべきなのか、
それとも・・・
ときには、寄り道もいいものです。
【pt900 ルビー リング】デザイン画
指輪だった宝石をプチペンダントにリフォームし、
しばらくしてそれをメレダイヤで華やかに飾る2度目のリフォームをする。
ひと粒石のペンダントを細身の指輪にリフォームして、
翌年にはその指輪がもっと幅広になるように2度目のリフォームをする。
自分に最適のデザインに近づける為に2度目、
場合によっては3度目のリフォームを決行する方も少なくありません。
ジュエリーリフォームは、
近道の無い自分探しの旅です。
ときには寄り道もしながら、
焦らずにじっくりと旅路を愉しんでくださいね。
これから、一緒の生活がはじまるね♡
【pt900 ダイヤ リング】デザイン画
立て爪デザインのダイヤリングを、
使わないまま20年ほどタンスの中で眠らせている女性が多く居ます。
その原因の筆頭にくるのは、
「立て爪デザインの使いにくさ」だと皆さま仰います。
そんなお客さまがリフォームに至るさい、
多くの場合、爪の無い埋め込みのデザインを選ばれます。
爪留めに対する拒絶反応が露骨にあらわれるわけですね。
デザインのサイドに留める、小さなちいさなメレダイヤでさえ、
爪を立てずに埋め込みにしたいと要望されます。
出来上がったなめらかなリングを20年ぶりに指にとおし、
これから歩み始めるダイヤモンドとの日々に思いをはせ・・・
ニンマリと。