デザイン画集
「お任せで!」がもたらすことを考えよう。
【pt900 ヒスイ ペンダント】デザイン画
つややかなヒスイを持参されたご依頼主に、
フルーツのモチーフでペンダントをデザインして、色をつけていましたら、
「なんか、もうちょっと光るようにできませんかね」
とご依頼主が仰り、急遽メレダイヤで装飾することに。
そこで私が、
「メレダイヤは、やはりリーフの部分に留めるのが一番自然だと思いますが、
いかがでしょう?」と言う。
・・・そんなやりとりが聞こえてきそうな画ですね。
リーフの部分をプラチナ色に塗った後に、
メレダイヤの案がひらめいたというのがバレバレですね(笑)
ですがこのように、
ご依頼主のほうから次々にアイデアが出てくるのは、じつによい傾向だと思います。
ジュエリーリフォームを成功させる秘訣はここにあると思います。
決してデザイナーの「お任せ」にしないことですネ( ^^)
コウイウ人ニ、私ハナリタイ。
【pt900 エメラルド リング】デザイン画
かくも美しく、私たちを魅了してやまないエメラルドもまた、
大地の奥底にて結晶する宝石です。
さて他の宝石に比べ、
エメラルドは大きな結晶になりにくい宝石です。
詳細は省きますが、
その原因はエメラルドが結晶する場所が実に過酷な環境であるためです。
小さいながらも、その妖艶な美しさには王侯貴族ですら魅了され、
かのクレオパトラをもとりこにしていた記録がございます。
過酷な環境で、なかなか大きな結晶にはなれずとも、
耐えて培ってきた輝きはかくも美しく、人々を魅了している。
・・・なりたいですね、こういう人に。
宝石たちの声に、気づいてー。
【K18 カラーストーン ペンダント】デザイン画
お母様から受け継いだ古ーいふるーい宝石を、
なににも仕立てることなく、
裸石のまま宝石箱の片隅に放っておくこと数十年。
なんと!
耐えかねた宝石は自らツルを伸ばしはじめ、
チェーンにからみつき、ペンダントに化身した。
・・・という物語のペンダントをデザインしてみました。
宝石たちは箱から飛び出して、外に出たがっていますよ!
皆さん、自身の宝石を身につけて、
出かけてあげてくださいね(@^^)/~~~
はい。よくあります。
【K18 カラーストーン ペンダント】デザイン画
ある日、お客様に
「こんくらいの大きさの石を持ってるんだけどさ、
ちょっとユニークなペンダントにするとしたら、どんな感じになるの?」
と言われ、デザイン相談がはじまります。
「このくらいの大きさの宝石ですか?え、もっと大きい?
それではこのくらいの宝石だとして・・・
えー、ふわっと丸味のデザインで包んで・・・
んー、少しメレダイヤなんかも留めたりして・・・
あー、ブローチとしても使えるようにしましょう・・・
それでこの辺にチェーンを通す感じでいかがでしょう?」
なんていうやりとりを経て、ラフ画を描いていきます。
お客様も
「うん。いい感じね!それじゃあ明日その宝石を持ってくるから、
このデザインで作ってね。忘れないでよ!」
とノリノリなわけです。
・・・で、次の日。
ご持参いただいた宝石が、
四角い形だったりすることがよくあります(ToT)
大地の恵みを享受し、喜びましょう。
【pt900 ペリドット ペンダント】デザイン画
主役:ペリドット。
脇役:メレダイヤ。
・・・なデザインですね。
しかし宝石を値踏みする習慣のある方たちがこのデザインを見ると、
主役のペリドットの値段が、
脇役であるダイヤモンドの1粒ていどであることに違和感を感じるはずです。
さて、
値段のバーコードを付けて産出される宝石などあるはずもなく、
流通経路のどこかで、値段のバーコードは取り付けられます。
つまり産出時は、どれも大地の結晶として希少な存在なのです。
需要と供給の都合で付けられる【値段】に注目するのをやめて、
色彩のバランス、輝きのバランスに注目してみると、
ご覧のデザインに大金を投じるご依頼主の内面が、
少しだけ見えるかもしれません。
さすがですよ、私の職人たちは。
【pt900 ダイヤ ペンダント】デザイン画
制作図面の通りにキチッとつくってくれる職人が好きです。
逆に、
つくりながら自分なりにアレンジしてしまう職人は嫌いです。
職人の道で30年以上も歩んできた人達ですから、
制作図面に違和感を感じたときに、
自分なりのアレンジをしたくなる気持ちはわかるのですが、
私としてはすごーく困ります。
ご依頼主とデザイン相談をし、
入念な計画をたてて制作図面を引くため、
職人のアレンジが加わると計画にズレが生じてしまうからです。
制作図面でパーツが歪んでいたら、歪んでつくっていただき、
曲がっていたら、曲がってつくっていただきたいわけです。
さて、
ご覧のデザイン画のペンダントですが、
チェーンを通す部分が、わずかに中心線からはずれています。
これは単に私が失敗して描いてしまったわけですが、
職人たちは正確にこの図面の通りにつくってきました(;一_一)
・・・うーん。